小田急線 複々線完成見学会「シモチカウォーク」に行ってきた

HELLO NEW ODAKYU

複々線化にあわせ新ダイヤに

本日2018年3月3日、小田急線の複々線が完成し、利用が始まりました。今回は利用開始を前に、2月24日に行われた地下トンネルの見学会に参加してきました。


小田急線 複々線完成 見学会

HELLO NEW ODAKYU!

見学会の様子の前に、複々線について簡単に説明を。

線路を複線(上下各1本)から複々線(上下各2本)にする今回の工事は、代々木上原(渋谷区)から登戸(川崎市多摩区)までの11.7kmを対象に、地上にある線路の高架化・地下化(連続立体交差事業)も同時に行われました。

複々線の大部分は既に完成しており、今回、残りの東北沢~世田谷代田間(1.6km)が完成します。この区間は急行系の線路が先に完成していて、現在は急行系も各駅停車もすべて急行系の線路を利用しています。

下記図にはありませんが、和泉多摩川〜登戸間(1.3km)も複々線が完成します。

小田急複々線工事

小田急電鉄公式サイトより

完成後のダイヤ改正では、ピーク時1時間あたりの運転本数が現在の27本から36本へと大幅に増えます。そんなに増発すると複々線ではない代々木上原→新宿で結局電車が「詰まる」んじゃ…と思いますが、増発した大部分は代々木上原から東京メトロ千代田線へ直通するそうです。

また、急行系の電車と各駅停車が別の線路になることで所要時間も短くなり、例えば町田から新宿へは49分から37分へ最大12分短縮します(これはラッシュ時間帯のもので、日中なら30分ほどで着きます)。朝の10分って結構大きな差ですよね。

なお、平均混雑率は191%から150%程度へと低減するとのことです。

地上時代の下北沢駅

地上時代の下北沢駅

リンク代々木上原~登戸間の「複々線化」により小田急の通勤が変わる! 2018年3月、新ダイヤでの運行開始PDFファイル)

完成見学会「シモチカウォーク」

複々線完成見学会「シモチカウォーク」

複々線完成見学会「シモチカウォーク」

小田急電鉄の複々線建設部による完成見学会「シモチカウォーク」は下記の内容で行われました。

  • 今までの工事内容の紹介
  • 新しい線路の紹介
  • 地下トンネルの見学
  • 世田谷代田駅地下ホームの見学
  • 地下設備の紹介
非常階段から地下トンネルへ

非常階段から地下トンネルへ

「シモチカウォーク」は世田谷代田駅で行われ、駅の周辺では東京都と小田急のブースがあり、これまでの工事内容を振り返ることができました。そして普段は使われない非常階段から地下のトンネルへと入ります。

3月3日から利用する世田谷代田駅ホーム

3月3日から利用する世田谷代田駅ホーム

非常階段は世田谷代田駅のホーム(B1F)へ繋がっています。まだ使われていないホーム。ホームドアは2019年度の設置予定で、現在は固定の柵が設置されていました。

世田谷代田駅の仮設ホーム

世田谷代田駅の仮設ホーム

現在使われている世田谷代田駅のホーム(B2F)は、急行用の線路に設置された仮設のものです。言われてみればコンクリートむき出しで、最低限の設備しかありません。

世田谷代田駅に急行は止まらないので、この仮設ホームは複々線全面供用開始の3月3日以降に撤去されるそうです。

世田谷代田駅のホームから線路へ

世田谷代田駅のホームから線路へ

真新しい世田谷代田駅のホーム(B1F)先端から下北沢駅方面の線路へ降ります。

開業前の線路を歩く

開業前の線路を歩く

開業後は急行系の電車が走る線路です。既に信号も点灯していました。

ちなみにレールは7日1回(郊外ではこれより低頻度)、実際に歩きながら検査を行っているそうです。地下トンネル内では逃げ場がないため終電後に行うそうですが、それ以外の区間では日中も行っているそうです。

保線に関する説明


トンネル内では、電気やレールなど保線に関する説明パネルもありました。係員の方があちこちいて、参加者の質問にも答えてくれていました。

壁面にはスライドショーが投影

トンネルの壁面には、これまでの工事や街の変化の様子がスライドショーで投影されていました。

世田谷代田〜下北沢間は400m

世田谷代田〜下北沢間は400m。歩いて10分もかからない距離です。

下北沢駅のホームが見える距離まで歩いてきた

下北沢駅のホームが見えるところまで歩いてきました。ここでシモチカウォークの展示は終わりです。ここまでは下りの線路を歩いてきましたが、ここからは上りの線路を歩いて世田谷代田駅に戻ります。

上りの線路を歩いて世田谷代田駅へ戻る

地下トンネル内は意外と広かったです。

折り返し運転は引き続き経堂駅で

以前、「複々線の完成と同時に下北沢駅に折り返し運転の設備ができる」とのネット上の書き込みを見かけたのですが(どこで見たかは失念)、小田急の担当の方に聞いてみたところ、「その予定はない」とのことでした。「下北沢で上下(上り下り)は繋がらない」と。

つまり、新宿駅近辺で人身事故などが発生した場合、これまで同様に新宿駅〜経堂駅が運転見合わせとなるようです。

新宿〜経堂で運転見合わせとなる

新宿〜経堂で運転見合わせとなる

これは小田急ユーザーでなければ理解してもらえないと思いますが、経堂駅は小田急単独の駅なので他の路線に乗り換えることができないのです(バスを除く)。

せめて下北沢駅で折り返し運転ができれば井の頭線で振替輸送できるのに…と思っていた小田急ユーザーも多いと思います。

終わりに

経堂駅付近

既に複々線の運用が始まっている経堂駅付近

昭和61年(1986)の都市計画事業認可・事業着手から実に30年以上経て、ようやく完成となりました。

これらの事業では電車が快適になるだけでなく、踏切撤去による「開かずの踏切」の解消や、地上の線路跡地や高架下に商業施設が開業するなど、さまざまなメリットがあります。

なお、別件ですが代々木八幡駅では新ホームを建設中で、完成すれば各駅停車が10両化(現在は8両)します。車両を10両に統一することで、例えば急行で到着した電車が各駅停車で折り返すなど、効率的な運用ができるようになるとのことでした。

シモチカウォークでいただいたおみやげ

最後に、クリアファイルやメモ帳、ボールペン、小田急グループの商業施設・飲食店の廃食油を原料としたエコせっけんなどのおみやげをいただきました。

小田急では、3月17日のダイヤ改正とともに新しいロマンスカー「GSE」の運行も始まります。


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